この記事は弁護士への取材・相談内容および公開されている判例に基づいて執筆しています。ただし法的アドバイスではありません。具体的な案件については弁護士にご相談ください。
この記事を書いた人:タカシ(29歳)
大手飲食チェーン→中小IT企業を経て、現在フリーランスWebライター。退職代行を2回利用(1回目:EXIT、2回目:モームリ)。2回目に利用したモームリの社長が弁護士法違反で逮捕された経験から、退職代行の法律問題について深く調べるようになりました。
「退職代行って、そもそも違法じゃないの?」
「使ったら自分も罰せられるんじゃ…?」
退職代行に興味はあるけど、法律的にグレーなサービスなのでは? と不安を感じている方は少なくないと思います。
特に、2026年2月にモームリの社長が逮捕されたニュースを見て、「退職代行って違法だったのか!?」と驚いた方も多いのではないでしょうか。
結論から言います。
退職代行そのものは違法ではありません。合法です。
ただし、やり方を間違えると違法になるケース があります。そして、モームリの社長が逮捕されたのは、まさに「やり方を間違えたケース」でした。
この記事では、退職代行の合法性について、法律の根拠をもとに徹底的に解説します。僕自身、2回目に使ったモームリの社長が逮捕されたという当事者の立場から、「合法と違法の境界線はどこにあるのか」を、できるだけわかりやすく説明していきます。
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→ 退職代行が合法である法的根拠を見る
→ 違法になるケース(非弁行為)を見る
→ モームリ逮捕事件の詳細を見る
→ 合法的に退職代行を使うポイントを見る
退職代行が「合法」である法律上の根拠
退職代行が合法であることを理解するために、まず日本の法律における「退職」の位置づけを確認しましょう。
大前提:退職は労働者の「権利」である
日本国憲法第22条は「職業選択の自由」を保障しています。これは「どの仕事を選ぶか」だけでなく、「仕事を辞める自由」 も含まれます。
そして、民法627条は以下のように定めています。
民法627条1項
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了する。
つまり、正社員(期間の定めのない雇用契約)であれば、退職の意思を伝えてから2週間が経過すれば、会社の許可がなくても退職できる のです。
これは非常に重要なポイントです。退職は「会社にお願いするもの」ではなく、労働者の一方的な意思表示で成立するもの なのです。
退職の「意思伝達」を代行することは合法
退職代行サービスがやっていることは、基本的に 「退職したいという本人の意思を、本人に代わって会社に伝えること」 です。
これは法律的にどう位置づけられるのでしょうか。
「意思の伝達」は法律行為ではなく、事実行為(使者)に該当します。
法律用語で説明すると、退職代行業者は「代理人」ではなく 「使者(ししゃ)」 として機能しています。
| 概念 | 意味 | 具体例 |
|---|---|---|
| 代理人 | 本人に代わって法律行為(判断を伴う行為)を行う | 弁護士が示談交渉を行う |
| 使者 | 本人が決めた意思を、そのまま相手に伝える | 退職代行が「退職します」と伝える |
退職代行業者は、労働者が「退職する」と決めた意思を、そのまま会社に伝えているだけです。自分で判断して何かを決定しているわけではありません。
この「使者」としての行為は、弁護士法72条が禁止する「法律事務」には該当しないため、弁護士資格がなくても行うことができます。
これが、退職代行が合法である法律上の根拠です。
労働基準法も退職の自由を守っている
さらに、労働基準法5条は「強制労働の禁止」を定めています。
労働基準法5条
使用者は、暴行、脅迫、監禁その他精神又は身体の自由を不当に拘束する手段によって、労働者の意思に反して労働を強制してはならない。
これに違反した使用者には、1年以上10年以下の懲役又は20万円以上300万円以下の罰金 という重い罰則が科されます(労働基準法117条)。
つまり、「辞めたい」と言っている労働者を無理に引き留めることは、法律違反になる可能性があるのです。
退職代行は、この「辞めたいのに辞めさせてもらえない」状況にある労働者を助けるサービスとも言えます。労働者の権利を守る観点からも、退職代行は合法的なサービスです。
退職代行が「違法」になるケース|非弁行為とは何か
退職代行そのものは合法ですが、サービスの内容次第では違法になるケース があります。その最大のリスクが 「非弁行為(ひべんこうい)」 です。
非弁行為とは
非弁行為とは、弁護士資格を持たない者が、報酬を得る目的で法律事務を行うこと です。弁護士法72条で禁止されています。
弁護士法72条
弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。
わかりにくいので、退職代行に当てはめて説明します。
退職代行における「合法」と「違法」の境界線
退職代行の業務には、以下のようなものがあります。
| 業務内容 | 民間企業 | 労働組合 | 弁護士 |
|---|---|---|---|
| 退職の意思を会社に伝える | ○合法 | ○合法 | ○合法 |
| 退職届を会社に届ける | ○合法 | ○合法 | ○合法 |
| 有給休暇の消化を交渉する | ✕違法 | ○合法 | ○合法 |
| 退職日の調整を交渉する | ✕違法 | ○合法 | ○合法 |
| 未払い残業代を請求する | ✕違法 | △条件付き | ○合法 |
| 退職金の交渉をする | ✕違法 | △条件付き | ○合法 |
| 損害賠償請求に対応する | ✕違法 | ✕違法 | ○合法 |
| 訴訟を起こす・対応する | ✕違法 | ✕違法 | ○合法 |
ここで重要なのは、「交渉」は法律行為に該当する という点です。
民間企業が運営する退職代行は、「退職の意思を伝える」ことはできますが、会社と交渉することはできません。 有給消化の交渉、退職日の調整、退職金の交渉…これらは全て「法律事務」に該当するため、民間企業が行うと非弁行為になります。
なぜ労働組合は交渉ができるのか?
労働組合には、憲法28条で保障された 「団体交渉権」 があります。
日本国憲法28条
勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する。
労働組合は、この団体交渉権に基づいて、使用者(会社)と交渉することができます。これは弁護士法72条の例外として認められている行為です。
したがって、労働組合が運営する退職代行は、有給消化の交渉や退職日の調整なども合法的に行うことができるのです。
ただし、労働組合でも 損害賠償請求への対応や訴訟 は行えません。これらは弁護士しかできない業務です。
非弁行為の具体例
退職代行において、非弁行為に該当する可能性がある行為を具体的に見てみましょう。
ケース1:民間企業が退職条件の交渉を行う
利用者:「有給が10日残っているんですが、消化してから辞めたいです」
民間業者:「わかりました。会社に有給消化の交渉をしておきますね」
→ これは違法。 民間企業が会社と退職条件の交渉を行うことは非弁行為に該当します。
ケース2:民間企業が退職日の調整を行う
利用者:「来月末で辞めたいんですが」
民間業者:「会社に確認して、退職日を交渉しておきますね」
→ これも違法。 退職日の調整は交渉に該当するため、民間企業には行えません。
ケース3:民間企業が「退職の意思を伝える」だけ
利用者:「退職したいです」
民間業者:「承知しました。会社に『〇〇さんは退職の意思があります』と伝えますね」
→ これは合法。 意思の伝達は法律事務に該当しないため、民間企業でも行えます。
非弁行為の罰則
弁護士法72条に違反した場合、2年以下の懲役又は300万円以下の罰金 が科されます(弁護士法77条)。
重要なのは、罰せられるのは退職代行業者であり、利用者ではない という点です。
退職代行を利用した側(労働者)が罰せられることはありません。これは後ほど詳しく説明します。
→ 関連記事:非弁行為とは?退職代行における弁護士法違反を徹底解説
3タイプ別・退職代行の合法範囲を詳しく解説
退職代行サービスには「民間企業」「労働組合」「弁護士」の3タイプがあり、それぞれ合法的にできることの範囲が異なります。ここでは各タイプの特徴と合法範囲を詳しく解説します。
タイプ1:民間企業型の退職代行
合法範囲:退職の意思伝達のみ
民間企業が運営する退職代行は、法律上「使者」として退職の意思を会社に伝えることしかできません。
できること:
- 退職の意思を会社に伝える
- 退職届を会社に届ける
- 連絡の窓口になる(「今後の連絡は〇〇宛にお願いします」と伝える)
できないこと(やると違法):
- 有給消化の交渉
- 退職日の交渉
- 退職金の交渉
- 未払い賃金の請求
- 損害賠償対応
代表的なサービス: EXIT(20,000円)、ニコイチ(27,000円)
メリット: 料金が安い。シンプルに「辞めたい」と伝えるだけでよい場合は、これで十分。
デメリット: 交渉ができないため、会社とトラブルになった場合は対応できない。
筆者の体験談: 僕が1回目に利用したEXITは民間企業型です。飲食チェーンを辞めるとき、特に交渉の必要がなかったので、意思伝達だけで問題なく退職できました。EXITは弁護士監修のサービスなので、非弁行為に該当しない範囲を厳密に守っている印象でした。
タイプ2:労働組合型の退職代行
合法範囲:意思伝達+団体交渉権による交渉
労働組合型の退職代行は、憲法28条の団体交渉権を根拠に、会社との交渉が可能です。
できること:
- 退職の意思を会社に伝える
- 有給消化の交渉
- 退職日の交渉
- 退職条件の交渉(退職金、退職理由の調整など)
- 未払い賃金の交渉(一定範囲内)
できないこと:
- 損害賠償請求への対応
- 訴訟対応
- 法的書類の作成
代表的なサービス: SARABA(24,000円)、ガーディアン(24,800円)
メリット: 民間企業型より料金がやや高い程度で、交渉ができる。コスパが良い。
デメリット: 訴訟などの本格的な法律問題には対応できない。
注意点: 労働組合型を選ぶ際は、その労働組合が実態のある組合かどうか を確認することが重要です。名ばかりの労働組合(実態がない形式的な組合)の場合、団体交渉権が認められない可能性があります。
実態のある労働組合の見分け方:
- 労働委員会に届出・認証されている
- 組合規約が公開されている
- 組合員が実際に存在している
- 組合費の仕組みが明確
ガーディアンは東京都労働委員会に認証された労働組合が直接運営しており、実態のある組合として信頼性が高いです。
タイプ3:弁護士型の退職代行
合法範囲:すべての法律行為が可能
弁護士が運営する退職代行は、法律の専門家が直接対応するため、全ての業務を合法的に行えます。
できること:
- 退職の意思伝達
- あらゆる交渉(有給、退職日、退職金、未払い賃金)
- 損害賠償請求への対応
- 訴訟対応
- 内容証明郵便の作成・送付
- ハラスメントの慰謝料請求
できないことはありません。法律に関するすべての業務を行えます。
代表的なサービス: 弁護士法人みやび(55,000円)
メリット: 法的リスクのあるケースでも安心。全てを任せられる。
デメリット: 料金が高い。シンプルな退職には過剰なスペック。
弁護士型を選ぶべきケース:
- 会社から損害賠償を請求されそう
- 未払い残業代が高額(50万円以上など)
- パワハラ・セクハラの慰謝料を請求したい
- 会社が退職を断固拒否している(悪質なケース)
- 競業避止義務の誓約書にサインさせられた
→ 関連記事:弁護士と労働組合、退職代行はどっちを選ぶべき?
3タイプの比較まとめ
| 比較項目 | 民間企業型 | 労働組合型 | 弁護士型 |
|---|---|---|---|
| 料金相場 | 10,000〜25,000円 | 22,000〜30,000円 | 30,000〜80,000円 |
| 意思伝達 | ○ | ○ | ○ |
| 有給交渉 | ✕ | ○ | ○ |
| 退職日交渉 | ✕ | ○ | ○ |
| 未払い賃金請求 | ✕ | △ | ○ |
| 損害賠償対応 | ✕ | ✕ | ○ |
| 訴訟対応 | ✕ | ✕ | ○ |
| 非弁行為のリスク | 範囲を守れば安全 | 実態ある組合なら安全 | リスクなし |
【実例】モームリ社長逮捕事件から学ぶ「非弁行為」のリスク
退職代行が違法になるケースを、実際に起きた事件から見てみましょう。2026年2月3日に逮捕されたモームリ社長の事件は、退職代行業界に大きな衝撃を与えました。
モームリ社長逮捕の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 逮捕日 | 2026年2月3日 |
| 容疑者 | 谷本慎二(37)・谷本志織 |
| 容疑 | 弁護士法72条違反(非弁提携) |
| 具体的な行為 | 退職代行利用者を提携弁護士に有償で紹介 |
| 紹介料 | 1人あたり16,500円(計6人、合計99,000円) |
| 偽装方法 | 紹介料を「広告委託費」「組合費」として処理 |
何が問題だったのか
モームリの社長が逮捕された容疑は 「非弁提携」 です。
退職代行の業務自体が問題になったのではなく、退職代行利用者を弁護士に紹介し、紹介料(キックバック)を受け取っていた 行為が弁護士法に違反するとされました。
もう少し詳しく説明します。
通常の流れ(合法):
- 利用者がモームリに退職代行を依頼
- モームリが会社に退職の意思を伝える
- トラブルが発生した場合、利用者に「弁護士に相談してください」とアドバイス
- 利用者が自分で弁護士を探して相談
モームリが行ったとされる流れ(違法):
- 利用者がモームリに退職代行を依頼
- モームリが会社に退職の意思を伝える
- トラブルが発生した場合、モームリが提携弁護士に利用者を 有償で紹介
- 弁護士からモームリに 1人あたり16,500円のキックバック が支払われる
- このキックバックを 「広告委託費」「組合費」として偽装 して会計処理
問題の本質は、紹介料(キックバック)を受け取っていた ことです。
弁護士法72条は、弁護士でない者が法律事件の「周旋(あっせん・紹介)」を業として行うことを禁止しています。利用者を弁護士に紹介するだけなら問題ないのですが、その対価として金銭を受け取ると「非弁提携」に該当します。
さらに、そのキックバックを「広告委託費」や「組合費」として偽装処理していたことが、組織的な違法行為として悪質だと判断されたと考えられます。
モームリ利用者への影響
僕自身がモームリの利用者 なので、この事件が発覚したとき真っ先に調べたのが「利用者は大丈夫なのか?」ということでした。
結論から言うと、利用者が法的に罰せられることはありません。
理由は以下の通りです。
- 弁護士法72条が禁止しているのは「法律事務を取り扱うこと」であり、サービスを利用する側は対象外
- 利用者は被害者の立場であり、加害者ではない
- 退職自体は民法627条に基づく正当な権利の行使であり、退職の効力に影響はない
つまり、モームリを使って退職したこと自体は無効にならないし、利用者が罰則を受けることもありません。
ただし、現在進行形でモームリに退職代行を依頼している方は、サービスが正常に提供されない可能性があるため、別のサービスへの切り替えを検討してください。
この事件から学ぶべきこと
モームリ事件は、退職代行業界に3つの教訓を残しました。
教訓1:「安い=安心」ではない
モームリは22,000円という手頃な料金と、メディア露出の多さで人気を集めていました。しかし、その裏では違法な収益構造が存在していた可能性があります。料金の安さやメディア露出の多さだけで判断するのは危険です。
教訓2:退職代行の「タイプ」だけでなく「運営体制」も重要
モームリは「労働組合提携」を謳っていましたが、今回の逮捕はその提携の在り方自体が問題でした。労働組合型であれば安心、とは限りません。運営体制や透明性も含めて判断する必要があります。
教訓3:利用者はちゃんと守られる
一方で、利用者が罰せられることはないという事実も重要です。退職代行を使うこと自体はリスクではありません。問題は「どの退職代行を選ぶか」 です。
合法的に退職代行を使うための5つのポイント
モームリ事件を踏まえて、合法的に退職代行を利用するために押さえておくべきポイントを5つにまとめました。
ポイント1:自分の状況に合ったタイプを選ぶ
まず、自分の退職に「交渉」が必要かどうかを判断しましょう。
交渉が不要な場合(民間企業型でOK):
- とにかく辞めたいだけ
- 有給は残っていない、または消化にこだわらない
- 会社とのトラブルは予想されない
→ おすすめ:EXIT(20,000円)
交渉が必要な場合(労働組合型がおすすめ):
- 有給を消化してから辞めたい
- 退職日を調整したい
- 退職金の支払いを確認したい
→ おすすめ:SARABA(24,000円)、ガーディアン(24,800円)
法的トラブルが予想される場合(弁護士型が必要):
- 会社から損害賠償を請求されそう
- 未払い残業代が高額
- パワハラの慰謝料を請求したい
→ おすすめ:弁護士法人みやび(55,000円)
ポイント2:運営元の信頼性を確認する
退職代行の運営元が信頼できるかどうか、以下のポイントで確認しましょう。
民間企業型の場合:
- 弁護士の監修を受けているか
- 会社の法人登記情報が確認できるか
- 運営歴や退職実績が公開されているか
労働組合型の場合:
- 労働委員会に届出・認証されているか
- 組合規約が公開されているか
- 組合としての実態があるか(名ばかり組合ではないか)
弁護士型の場合:
- 弁護士会に所属しているか(日本弁護士連合会のサイトで確認可能)
- 弁護士の氏名が公開されているか
ポイント3:「交渉可能」を謳う民間企業には要注意
民間企業が運営する退職代行が「交渉もできます」と謳っている場合は要注意です。
前述の通り、民間企業が会社と交渉することは非弁行為に該当する可能性が高いです。「交渉」が必要な場合は、必ず労働組合型か弁護士型を選びましょう。
見分け方:
- 「有給消化の交渉OK」と書いてあるのに、運営元が民間企業 → 危険信号
- 「どんなことでも対応可能」と過剰にアピールしている → 注意が必要
- 運営元の種類(民間/労組/弁護士)が明記されていない → 避けるべき
ポイント4:契約前に「何ができて何ができないか」を確認する
退職代行に依頼する前に、以下の点を必ず確認しましょう。
確認すべき質問リスト:
- 「御社の退職代行は、会社との交渉は含まれますか?」
- 「有給消化や退職日の調整は対応してもらえますか?」
- 「もし会社側から損害賠償を請求された場合、対応してもらえますか?」
- 「追加料金が発生するケースはありますか?」
- 「退職できなかった場合の返金保証はありますか?」
これらの質問に明確に回答できないサービスは、避けた方が無難です。
信頼性の高い退職代行は、自社でできる範囲とできない範囲を明確に線引きしています。「何でもできます」という業者より、「ここまではできますが、これ以上は弁護士をご紹介します」と正直に言ってくれる業者の方が、結果として安全です。
ポイント5:「利用者が罰せられることはない」と知っておく
最後に、これは安心材料として知っておいてください。
仮に利用した退職代行業者が非弁行為をしていたとしても、利用者が罰せられることはありません。
弁護士法72条が処罰の対象としているのは、法律事務を取り扱った「業者側」であり、サービスを利用した「利用者側」ではありません。
モームリの事件でも、利用者が逮捕されたり、罰則を受けたりしたケースは一件もありません。
もちろん、だからといって「どんな業者でもいい」というわけではありません。信頼性の高いサービスを選ぶことが、安心・安全な退職への第一歩です。
退職代行に関する法律Q&A(弁護士見解まとめ)
ここでは、退職代行に関連する法律の疑問について、弁護士の見解をもとにQ&A形式で解説します。
Q. 退職代行を使うこと自体は法律的に問題ないのか?
A. 問題ありません。 退職は労働者の権利(民法627条)であり、その意思伝達を第三者に依頼することは法律で禁止されていません。ただし、依頼先が非弁行為を行わないよう、適切なサービスを選ぶ必要があります。
Q. 退職代行を使ったら懲戒解雇される?
A. 懲戒解雇の正当な理由にはなりません。 退職代行の利用は退職の意思を第三者を通じて伝える行為であり、就業規則違反にも法令違反にも該当しません。万が一、退職代行を理由に懲戒解雇された場合は、不当解雇として争うことができます。
Q. 退職代行を使って退職した場合、退職の効力は有効?
A. 有効です。 退職の意思表示は、本人が直接行わなくても、使者を通じて行われた場合でも有効です。退職届が会社に到達した時点で、退職の意思表示は効力を持ちます(到達主義)。
Q. 会社が退職を認めない場合、それでも辞められる?
A. 辞められます。 民法627条により、退職の意思表示をしてから2週間が経過すれば、会社の同意がなくても雇用契約は終了します。会社が「退職を認めない」と言っても、法的には効力がありません。
Q. 有期雇用(契約社員・派遣社員)でも退職代行は使える?
A. 使えますが、注意点があります。 有期雇用の場合、原則として契約期間中の一方的な退職はできません(民法628条)。ただし、「やむを得ない事由」がある場合は退職可能です。やむを得ない事由には、パワハラ、体調不良、契約内容と実際の業務の著しい相違などが含まれます。有期雇用の場合は、弁護士型の退職代行を利用するのが安全です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 退職代行は違法ですか?
A. 退職代行そのものは違法ではありません。 退職の意思を会社に伝える行為(使者としての行為)は、弁護士法72条が禁止する「法律事務」に該当しないため、合法です。ただし、民間企業が会社との交渉を行った場合は非弁行為として違法になります。
Q2. 退職代行を使ったら、自分が罰せられますか?
A. 利用者が罰せられることはありません。 弁護士法72条の処罰対象は「法律事務を取り扱った業者側」であり、サービスを利用した側は対象外です。仮に利用した業者が非弁行為をしていたとしても、利用者に責任が及ぶことはありません。安心して利用してください。
Q3. モームリの社長はなぜ逮捕されたのですか?
A. 弁護士法違反(非弁提携)の容疑で逮捕されました。 退職代行の利用者を提携弁護士に有償で紹介し、1人あたり16,500円のキックバックを受け取っていた行為が「非弁提携」に該当するとされました。紹介料を「広告委託費」「組合費」として偽装処理していたことも問題視されています。退職代行の業務自体ではなく、弁護士への有償紹介(周旋)が違法と判断されたケースです。
Q4. 民間企業の退職代行と労働組合の退職代行、どちらが合法的に安全ですか?
A. どちらも合法ですが、できることの範囲が異なります。 民間企業型は「退職の意思伝達のみ」が合法範囲。労働組合型は団体交渉権に基づく「交渉」も合法範囲に含まれます。交渉が必要ない場合は民間企業型でも問題ありませんが、有給消化の交渉などが必要な場合は労働組合型か弁護士型を選びましょう。
Q5. 違法な退職代行業者を見分けるにはどうすればいいですか?
A. 以下のポイントで見分けられます。
- 運営元が明記されていない → 危険
- 民間企業なのに「交渉可能」を謳っている → 非弁行為の疑い
- 料金体系が不透明(追加料金が不明)→ 注意
- 会社情報・代表者名が非公開 → 避けるべき
- 口コミや実績がほとんどない → リスクが高い
信頼性の高いサービスは、運営元の種類、できることの範囲、料金体系を明確に公開しています。
Q6. 退職代行を使ったら損害賠償を請求されることはありますか?
A. 退職代行の利用を理由とした損害賠償請求は、法的に認められる可能性は極めて低いです。 退職は労働者の権利であり、退職の方法(直接伝えたか、退職代行を使ったか)を理由に損害賠償が認められた判例はありません。ただし、引き継ぎを全くせずに突然退職し、会社に具体的な損害が発生した場合には、理論上は損害賠償のリスクがゼロとは言い切れません。心配な場合は弁護士型の退職代行を選びましょう。
Q7. 公務員でも退職代行を使っても合法ですか?
A. 公務員も退職代行を利用すること自体は合法です。 ただし、公務員の退職は民法ではなく国家公務員法・地方公務員法が適用されるため、「2週間で辞められる」というルールは適用されません。公務員の場合は任命権者の承認が必要になるため、弁護士型の退職代行を利用するのがおすすめです。
合法的に使えるおすすめ退職代行サービス
法律面での安全性を重視して、信頼できる退職代行サービスを5つ紹介します。
1位:退職代行EXIT(20,000円)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 料金 | 20,000円 |
| 運営元 | EXIT株式会社(民間企業・弁護士監修) |
| 合法性 | ◎(弁護士監修で非弁行為の線引きが明確) |
| できること | 退職の意思伝達、連絡窓口代行 |
退職代行のパイオニアであり、弁護士監修のもと合法範囲を厳密に守っています。「交渉はできないが、意思伝達は確実に行う」というスタンスが明確で、非弁行為のリスクがありません。交渉が不要なケースであれば、コスパ最強の選択肢です。
2位:退職代行SARABA(24,000円)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 料金 | 24,000円 |
| 運営元 | 労働組合 |
| 合法性 | ◎(団体交渉権に基づく交渉が合法) |
| できること | 意思伝達、有給消化交渉、退職日交渉 |
労働組合が運営しているため、有給消化や退職日の交渉も合法的に行えます。行政書士監修で書類関係のサポートも充実。モームリの代替サービスとして最もおすすめです。
3位:退職代行ガーディアン(24,800円)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 料金 | 24,800円 |
| 運営元 | 東京労働経済組合(労働組合) |
| 合法性 | ◎◎(東京都労働委員会認証の労働組合が直接運営) |
| できること | 意思伝達、有給消化交渉、退職日交渉 |
東京都労働委員会に認証された労働組合が 直接運営 しているため、法的な信頼性は業界トップクラス。モームリのような「提携」ではなく「直接運営」なので、非弁提携のリスクもありません。
4位:退職代行ニコイチ(27,000円)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 料金 | 27,000円 |
| 運営元 | 民間企業 |
| 合法性 | ○(意思伝達に特化) |
| できること | 退職の意思伝達、連絡窓口代行 |
創業18年の老舗で、退職成功実績50,000件超。長年の運営実績が信頼の証拠です。合法範囲内で確実に退職をサポートしてくれます。
5位:弁護士法人みやび(55,000円)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 料金 | 55,000円 |
| 運営元 | 弁護士法人 |
| 合法性 | ◎◎◎(弁護士が直接対応するため、法的リスクゼロ) |
| できること | すべて(意思伝達、交渉、訴訟対応、損害賠償対応) |
弁護士が直接対応するため、合法性に関しては一切の心配がありません。料金は高めですが、法的トラブルが予想されるケースでは最も安全な選択肢です。
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→ 退職代行おすすめランキングTOP15を見る
まとめ|退職代行は合法。ただし「正しく選ぶ」ことが大切
この記事の内容をまとめます。
退職代行の合法性:
- 退職代行そのものは 合法 (意思伝達は法律事務に該当しない)
- 退職は労働者の権利(民法627条)であり、第三者を通じた意思伝達も有効
- 利用者が罰せられることはない
違法になるケース:
- 民間企業が会社との交渉を行う → 非弁行為
- 利用者を弁護士に有償で紹介する → 非弁提携(モームリ逮捕事件)
- 弁護士資格なく法律事務を取り扱う → 弁護士法72条違反
合法的に使うための3タイプの選び方:
- 交渉不要 → 民間企業型(EXIT:20,000円)
- 交渉が必要 → 労働組合型(SARABA:24,000円、ガーディアン:24,800円)
- 法的トラブルあり → 弁護士型(みやび:55,000円)
退職代行を使うことに後ろめたさを感じる必要はありません。法律は「辞める自由」を明確に認めています。
大切なのは、信頼できるサービスを正しく選ぶこと。 そうすれば、退職代行は完全に合法で、安全で、あなたを守ってくれるサービスです。
僕は退職代行を2回使いましたが、2回とも法律的に何の問題もなく退職できました(2回目のモームリについては運営側の問題が後から発覚しましたが、利用者である僕に法的な影響は一切ありませんでした)。
あなたが安心して退職できるよう、この記事が少しでも役に立てば幸いです。
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※この記事の内容は2026年3月時点の情報に基づいています。法律の解釈については一般的な見解をまとめたものであり、個別の法的判断については弁護士にご相談ください。
※退職代行モームリは2026年2月3日に社長が弁護士法違反で逮捕されたため、当サイトでは利用を推奨していません。
