この記事を書いた人:タカシ(29歳)
1社目の大手飲食チェーンをEXIT(20,000円)で退職。2社目の中小ITをモームリ(22,000円)で退職。現在フリーランスWebライター。退職代行を2回使った実体験をもとに、本当に信頼できるサービスだけを紹介しています。
「毎月サービス残業をさせられているけど、辞めるときに未払い残業代も請求できるの?」
「退職代行を使って辞めたいけど、残業代も取り返したい……」
「未払い残業代の請求って、退職代行でもやってくれるの?」
こんな悩みを抱えている方、実はかなり多いです。
厚生労働省の「労働基準監督年報(2025年度)」によると、残業代の未払いに関する是正勧告は年間1,600件以上にのぼり、支払われた未払い残業代の総額は約100億円。つまり、残業代を正しく支払っていない企業は想像以上に多いのが現実です。
結論から言うと、退職代行で未払い残業代を請求できるかどうかは、利用するサービスの「運営タイプ」によって大きく異なります。
- 弁護士型退職代行 → 未払い残業代の請求が可能(法的な請求権あり)
- 労働組合型退職代行 → 交渉まではできるが、法的請求は不可
- 民間型退職代行 → 未払い残業代の請求は完全に不可
この記事では、退職代行を2回利用した僕が、未払い残業代を退職代行で回収する方法、計算方法、証拠の集め方、時効の注意点、そして弁護士型退職代行の成功報酬の仕組みまで、徹底的に解説します。
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退職代行で未払い残業代は請求できる?【運営タイプ別に解説】
まず最も重要なポイントから。退職代行で未払い残業代を請求できるかどうかは、サービスの運営タイプで決まります。
弁護士型退職代行:未払い残業代の請求が「できる」
弁護士型退職代行は、弁護士資格を持つ専門家が直接対応するため、未払い残業代の請求を含むあらゆる法律業務に対応可能です。
具体的にできることは以下の通りです。
- 退職の意思伝達
- 有給消化の交渉
- 退職日・退職条件の交渉
- 未払い残業代の計算と請求
- 未払い賃金(基本給・手当含む)の請求
- 損害賠償請求への対応
- パワハラ・セクハラの慰謝料請求
- 訴訟対応(裁判になった場合)
弁護士は法律上、依頼者の代理人として会社に対して法的拘束力のある請求書(内容証明郵便)を送ることができます。これは他のタイプの退職代行にはできないことです。
未払い残業代の請求は「法律事務」に該当するため、弁護士以外が行うと弁護士法72条違反(非弁行為)になります。2026年2月3日に退職代行モームリの社長が弁護士法違反で逮捕された事件は、まさにこの「非弁行為」が問題になったケースです。
労働組合型退職代行:交渉はできるが法的請求は「できない」
労働組合型の退職代行は、憲法28条で保障された団体交渉権を根拠に、会社と交渉を行うことができます。
労働組合型ができること:
- 退職の意思伝達
- 有給消化の交渉
- 退職日・退職条件の交渉
- 未払い残業代について会社と交渉(「支払ってほしい」と申し入れること)
労働組合型ができないこと:
- 未払い残業代の法的な請求(内容証明郵便の送付など)
- 計算根拠に基づく確定金額の請求
- 訴訟対応
- 損害賠償請求への対応
つまり、労働組合型は「未払い残業代があるので支払ってほしい」と会社に交渉することはできますが、会社が「払わない」と拒否した場合にそれ以上の法的手段を取ることができないのです。
会社が素直に応じてくれればいいのですが、未払い残業代を認めない企業は多く、交渉だけでは回収が難しいケースが大半です。
代表的な労働組合型退職代行:
民間型退職代行:未払い残業代の請求は「完全に不可」
民間企業が運営する退職代行は、退職の意思を会社に伝えることしかできません。
未払い残業代について会社と交渉することも、請求書を送ることも、一切できません。これらの行為は弁護士法に抵触するためです。
ただし、民間型の退職代行でも、退職手続きを完了させた後に自分自身で未払い残業代を請求することは可能です。労働基準監督署に相談したり、別途弁護士に依頼することもできます。
代表的な民間型退職代行:
運営タイプ別の対応範囲まとめ
| 対応内容 | 民間型 | 労働組合型 | 弁護士型 |
|---|---|---|---|
| 退職の意思伝達 | ◯ | ◯ | ◯ |
| 有給消化の交渉 | × | ◯ | ◯ |
| 未払い残業代の交渉 | × | ◯ | ◯ |
| 未払い残業代の法的請求 | × | × | ◯ |
| 内容証明郵便の送付 | × | × | ◯ |
| 訴訟対応 | × | × | ◯ |
| 損害賠償への対応 | × | × | ◯ |
結論:未払い残業代を確実に回収したいなら、弁護士型退職代行一択です。
未払い残業代の計算方法【自分で計算してみよう】
弁護士型退職代行に依頼する前に、まずは自分の未払い残業代がどれくらいあるのかを把握しましょう。概算でも計算しておくと、弁護士への相談がスムーズに進みます。
残業代の基本的な計算式
未払い残業代の計算式は以下の通りです。
未払い残業代 = 1時間あたりの基礎賃金 × 割増率 × 残業時間
ステップ1:1時間あたりの基礎賃金を計算する
1時間あたりの基礎賃金は、以下の計算式で求めます。
1時間あたりの基礎賃金 = 月給(基本給+手当)÷ 1か月の所定労働時間
ここで注意が必要なのは、基礎賃金に含める手当と含めない手当があることです。
基礎賃金に含める手当:
- 役職手当
- 資格手当
- 業務手当
- 地域手当
- 調整手当
基礎賃金に含めない手当:
- 家族手当(扶養人数に応じて支給されるもの)
- 通勤手当
- 住宅手当(一律支給でないもの)
- 別居手当
- 子女教育手当
- 臨時に支払われた賃金
- 1か月を超える期間ごとに支払われる賃金
計算例:
- 月給25万円(基本給20万円+役職手当3万円+業務手当2万円)
- 1か月の所定労働時間:160時間(1日8時間×20日)
- 1時間あたりの基礎賃金:250,000円 ÷ 160時間 = 1,562.5円
ステップ2:割増率を確認する
残業代の割増率は、労働基準法で以下のように定められています。
| 残業の種類 | 割増率 |
|---|---|
| 法定時間外労働(1日8時間・週40時間超) | 25%以上(1.25倍) |
| 法定時間外労働(月60時間超の部分) | 50%以上(1.50倍) |
| 深夜労働(22時〜翌5時) | 25%以上(1.25倍) |
| 法定休日労働 | 35%以上(1.35倍) |
| 時間外+深夜 | 50%以上(1.50倍) |
| 休日+深夜 | 60%以上(1.60倍) |
注意: 2023年4月からは、中小企業でも月60時間を超える残業には50%以上の割増率が適用されています。以前は大企業のみの義務でしたが、法改正により全企業に適用されました。
ステップ3:残業時間を計算する
実際に働いた残業時間を計算します。
残業時間の数え方:
- 法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超えた部分が残業時間
- 休憩時間は含めない
- 早出残業(始業前の労働)も残業時間に含まれる
- 持ち帰り仕事が会社の指示によるものなら残業時間に含まれる
計算例:月30時間の未払い残業代
先ほどの例(1時間あたりの基礎賃金1,562.5円)で、月30時間の残業代が未払いだった場合:
- 未払い残業代(月額)= 1,562.5円 × 1.25 × 30時間 = 58,593円
- 1年分(12か月)= 58,593円 × 12 = 703,125円
- 2年分 = 1,406,250円
- 3年分(時効の上限)= 2,109,375円
月30時間のサービス残業が3年続いていた場合、約210万円の未払い残業代が発生していることになります。これは決して少ない金額ではありません。
弁護士型退職代行の費用が55,000円〜77,000円程度であることを考えると、十分に元が取れる計算です。
未払い残業代の証拠の集め方【これがないと請求できない】
未払い残業代を請求するためには、「実際に残業していた」という証拠が不可欠です。証拠がなければ、弁護士に依頼しても請求が難しくなります。
退職する前に、できるだけ多くの証拠を集めておきましょう。
証拠として有効なもの一覧
以下のものが、未払い残業代の証拠として認められます。複数の証拠を組み合わせることで、請求の成功率が大幅に上がります。
1. タイムカード・勤怠記録
最も強力な証拠です。出退勤の時刻が客観的に記録されているため、裁判でも重要視されます。
- 紙のタイムカード → 写真撮影またはコピーを取る
- 電子勤怠システム → スクリーンショットを撮る、CSVでエクスポートする
- ICカード入退館記録 → 会社に開示請求できる(退職後も可能)
注意点: タイムカードを改ざんしている会社もあります。実際の退勤時刻と記録が異なる場合は、他の証拠と組み合わせて立証する必要があります。
2. メール・チャットの送受信履歴
業務メールやチャット(Slack、Teams、Chatworkなど)の送受信時刻は、その時間に業務を行っていたことの証拠になります。
- 深夜や休日に送信したメール → 強力な証拠
- 上司からの業務指示メール → 残業が会社の指示であったことの証拠
- 「まだ終わらないの?」などのメッセージ → 残業を強いられていたことの証拠
集め方: 自分のメールアドレスに転送する、スクリーンショットを撮る、PDFで保存する。退職前に必ず行いましょう。
3. PCのログイン・ログオフ記録
会社のPCの起動時刻とシャットダウン時刻は、勤務時間の証拠として有効です。
- Windowsのイベントログ
- VPN接続のログ
- クラウドサービスのアクセスログ
4. 業務日報・作業日報
日報に作業内容と時間が記載されていれば、残業の証拠として認められます。
- 紙の日報 → コピーまたは写真撮影
- 電子日報 → スクリーンショットまたはPDF保存
- プロジェクト管理ツール(Jira、Backlogなど)の記録
5. 給与明細・雇用契約書
給与明細は「支払われた残業代の金額」を確認するために必要です。雇用契約書は「所定労働時間」や「固定残業代の有無」を確認するために使います。
- 固定残業代(みなし残業代)が含まれている場合、その時間を超えた分は別途請求可能
- 給与明細に「残業手当:0円」と記載されている → 残業代が一切支払われていない証拠
6. 手帳・メモ・日記
自分で記録した手帳やメモも、証拠として一定の効力があります。
- 毎日の出退勤時刻
- 業務内容
- 上司からの残業指示の内容
ただし、手帳やメモは客観的な証拠と比べると証拠力が弱いため、他の証拠と組み合わせて使うのが効果的です。
7. 同僚の証言
一緒に残業していた同僚の証言も、補助的な証拠として使えます。ただし、在職中の同僚に証言を頼むのは現実的に難しいケースが多いです。
証拠が全くない場合はどうする?
「タイムカードもメールの記録も何もない……」という方も、諦める必要はありません。
会社には勤怠記録の保存義務がある(労働基準法109条)ため、弁護士を通じて会社に対して勤怠記録の開示請求を行うことができます。会社は3年間(2020年4月以降は5年間、当面は3年間の経過措置)の記録を保存する義務があります。
また、弁護士が裁判所に対して文書提出命令を申し立てることも可能です。会社が勤怠記録の開示を拒否した場合、裁判所が開示を命じることがあります。
証拠集めのポイントまとめ:
- 退職を決意したら、退職代行に依頼する前に証拠を集める
- 複数の種類の証拠を用意する(タイムカード+メール+日報など)
- 原本がなくても、コピー・写真・スクリーンショットでOK
- 証拠がなくても弁護士に相談すれば開示請求で取得できる可能性がある
未払い残業代の時効は3年【請求するなら早めに行動を】
未払い残業代の請求には時効があります。時効を過ぎると、たとえ未払いが事実であっても請求できなくなるので要注意です。
2020年の法改正で時効が2年→3年に延長
2020年4月1日の労働基準法改正により、未払い賃金(残業代を含む)の消滅時効は2年から3年に延長されました。
| 残業代が発生した時期 | 時効 |
|---|---|
| 2020年3月31日以前 | 2年(すでに時効完成済み) |
| 2020年4月1日以降 | 3年 |
注意点:
- 改正法では本来「5年」の時効が規定されていますが、経過措置として当分の間は3年とされています
- 3年の起算点は「各月の給料日」です。2026年3月現在なら、2023年3月以降の残業代が請求可能
- 時効は毎月進行するため、1か月遅れるごとに1か月分の残業代が時効にかかる
時効を止める方法
時効が迫っている場合、以下の方法で時効を止める(中断させる)ことができます。
1. 内容証明郵便の送付(催告)
弁護士が会社に対して未払い残業代の支払いを求める内容証明郵便を送ると、6か月間時効の完成が猶予されます。その間に訴訟を提起すれば、時効を完全に中断できます。
2. 労働審判・訴訟の提起
労働審判や訴訟を裁判所に申し立てると、時効が中断(更新)されます。
3. 会社が未払いを認めた場合(承認)
会社が未払いの事実を認めた場合、その時点で時効がリセットされます。
つまり、未払い残業代がある方は「一日でも早く」弁護士に相談することが重要です。 時間が経つほど、請求できる金額が減っていきます。
弁護士型退職代行の「成功報酬」の仕組み
弁護士型退職代行の料金体系は、一般的な退職代行とは少し異なります。特に未払い残業代の請求に関しては、「着手金+成功報酬」という料金体系が一般的です。
料金体系の基本構成
| 料金項目 | 内容 | 相場 |
|---|---|---|
| 着手金(固定費) | 退職代行の基本料金 | 55,000円〜77,000円 |
| 成功報酬 | 回収できた金額の一定割合 | 回収額の20%〜30% |
| 実費 | 郵送費・印紙代など | 数千円〜数万円 |
成功報酬とは?
成功報酬とは、実際に未払い残業代を回収できた場合にのみ発生する報酬です。
たとえば、未払い残業代100万円を回収でき、成功報酬が回収額の25%の場合:
- 着手金:55,000円
- 成功報酬:100万円 × 25% = 250,000円
- 実費:5,000円
- 合計費用:310,000円
- 手元に残る金額:690,000円
回収できなかった場合は成功報酬が発生しないため、「回収できなければ損をしない」という仕組みです。
成功報酬の注意点
- サービスによって成功報酬の割合は異なる(20%〜30%が一般的)
- 着手金は回収の成否に関わらず発生する
- 交渉で解決した場合と裁判で解決した場合で報酬が異なることがある
- 相談時に必ず料金体系を確認し、見積もりをもらうこと
主要な弁護士型退職代行の料金比較
| サービス名 | 着手金 | 成功報酬 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 弁護士法人みやび | 55,000円 | 回収額の20% | 未払い残業代・慰謝料請求に強い |
| 退職110番 | 43,800円 | 回収額の20%(別途オプション) | 労働問題全般に対応 |
| フォーゲル綜合法律事務所 | 33,000円〜 | 回収額の20%〜 | 業界最安水準の着手金 |
→ 弁護士法人みやびの詳細レビューはこちら
→ 退職110番の詳細レビューはこちら
労働基準監督署への相談との併用【無料でできる対策】
弁護士型退職代行への依頼と並行して、労働基準監督署(労基署)への相談も検討しましょう。労基署への相談は無料で、弁護士費用を抑える効果があります。
労働基準監督署とは?
労働基準監督署は、厚生労働省の出先機関で、労働基準法違反を取り締まる公的機関です。全国に321署あり、管轄の労基署に相談できます。
労基署にできること
- 是正勧告 → 会社に対して法律違反を是正するよう勧告する
- 是正指導 → 改善を指導する
- 送検 → 悪質な場合は刑事事件として検察に送る
労基署が是正勧告を出すと、多くの企業は未払い残業代を支払います。行政の力を借りることで、弁護士費用をかけずに回収できるケースもあります。
労基署にできないこと
- 会社に対して支払いを強制する権限はない
- 個々の労働者の代理人として交渉する権限はない
- 証拠が不十分な場合は動いてもらえないことがある
弁護士型退職代行と労基署の併用が効果的な理由
弁護士型退職代行と労基署への相談を併用すると、以下のメリットがあります。
- 弁護士からの請求+労基署の是正勧告のダブルプレッシャーで、会社が支払いに応じやすくなる
- 労基署の調査で証拠が補強される可能性がある
- 弁護士が労基署への申告を代理できるため、手間が省ける
労基署への相談の流れ
- 管轄の労基署を調べる(厚生労働省のサイトで検索可能)
- 必要な書類を準備する(給与明細、タイムカード、雇用契約書など)
- 窓口で相談する(電話でも相談可能、匿名でもOK)
- 申告書を提出する(正式に調査を依頼する場合)
- 労基署が会社を調査(臨検監督)
- 是正勧告・是正指導が出される
筆者タカシの体験談:退職代行と未払い残業代
ここで僕自身の体験をお話しします。
1社目:大手飲食チェーン時代の残業事情
1社目の大手飲食チェーンでは、月80時間以上のサービス残業が常態化していました。
- 営業時間外の仕込み作業(毎日2時間)
- 閉店後の清掃・片付け(毎日1〜2時間)
- 棚卸し作業(月末に深夜まで)
- 休日の研修参加(月1〜2回)
タイムカードは「定時」で打刻するよう指示されていたため、記録上は残業ゼロ。当然、残業代は一切支払われていませんでした。
退職時にはEXIT(民間型・20,000円)を使いましたが、民間型では未払い残業代の請求はできません。当時は知識もなく、「辞められただけでいい」と思っていました。
正直、今振り返ると、弁護士型の退職代行を使って未払い残業代も請求すべきだったと後悔しています。月80時間×1年以上の未払い残業代は、計算すると200万円以上になっていたはずです。
2社目:中小IT企業では残業代が支払われていた
2社目の中小IT企業では、勤怠管理がきちんとしていて残業代も支払われていました。退職理由は人間関係のトラブルだったため、退職代行モームリ(労働組合型・22,000円)を使って有給消化の交渉をしてもらい、円満に退職できました。
教訓:未払い残業代がある人は弁護士型を選ぶべき
2つの退職を経験して確信したのは、未払い残業代がある人は、多少費用が高くても弁護士型退職代行を選ぶべきだということ。
退職代行の費用の差は数万円ですが、回収できる未払い残業代は数十万〜数百万円になることもあります。費用対効果を考えれば、弁護士型を選ばない理由がありません。
未払い残業代を請求する際の注意点5つ
未払い残業代の請求を成功させるために、以下の5つの注意点を押さえておきましょう。
注意点1:固定残業代(みなし残業)を確認する
雇用契約書に固定残業代(みなし残業代)が含まれている場合、その時間分の残業代はすでに支払われていることになります。
ただし、以下のケースでは追加請求が可能です。
- 固定残業代の時間数を超えて残業した場合(超過分は別途請求可能)
- 固定残業代の金額が、実際の残業代を下回っている場合
- 雇用契約書に固定残業代の時間数・金額が明記されていない場合(無効になる可能性あり)
注意点2:管理監督者の例外に注意
労働基準法41条の「管理監督者」に該当する場合、残業代の支払い義務が免除されます。
ただし、法律上の「管理監督者」と会社が言う「管理職」はイコールではありません。
法律上の管理監督者の要件:
- 経営に関する重要な決定に参画している
- 労務管理について指揮監督権限を有している
- 出退勤の自由がある
- 地位にふさわしい待遇を受けている
「名ばかり管理職」(管理職の肩書だけで実態が伴わない)の場合は、残業代を請求できます。
注意点3:請求金額に「遅延損害金」を加える
未払い残業代には遅延損害金を付けて請求できます。
- 在職中の遅延損害金:年3%(民法の法定利率)
- 退職後の遅延損害金:年14.6%(賃金支払確保法6条1項)
退職後の遅延損害金は年14.6%と非常に高いため、請求額に大きく影響します。
注意点4:「付加金」を請求できるケースがある
裁判で未払い残業代を請求する場合、裁判所が付加金の支払いを命じることがあります。
付加金とは、未払い残業代と同額の金額を追加で支払わせるペナルティです。つまり、未払い残業代100万円に対して、さらに100万円の付加金が命じられると、合計200万円を受け取れる可能性があります。
ただし、付加金は裁判所の裁量によるもので、必ず認められるわけではありません。
注意点5:退職前に証拠を確保しておく
退職後に証拠を集めるのは非常に困難です。会社のメールやチャットにアクセスできなくなり、タイムカードのコピーも取れなくなります。
退職代行に依頼する前に、必ず証拠を確保してください。
未払い残業代の請求に強い退職代行おすすめ3選
未払い残業代の請求ができる、弁護士型退職代行のおすすめを紹介します。
1位:弁護士法人みやび
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 料金 | 55,000円 |
| 成功報酬 | 回収額の20% |
| 運営元 | 弁護士法人みやび |
| 対応範囲 | 退職代行+未払い残業代請求+慰謝料請求+損害賠償対応 |
| 対応時間 | 24時間(メール・LINE) |
弁護士法人みやびは、未払い残業代や慰謝料の請求に特に強い弁護士型退職代行です。成功報酬は回収額の20%と業界標準的。退職代行と同時に未払い残業代の請求を一括で依頼でき、手間が最小限で済みます。
2位:退職110番
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 料金 | 43,800円 |
| 成功報酬 | 回収額の20%〜(オプション) |
| 運営元 | 弁護士法人あおば |
| 対応範囲 | 退職代行+各種請求(オプション対応) |
| 対応時間 | 24時間(メール・LINE) |
退職110番は、着手金が43,800円と弁護士型の中では比較的リーズナブル。未払い残業代の請求はオプション対応になりますが、退職代行とセットで依頼すれば効率的に進められます。
3位:フォーゲル綜合法律事務所
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 料金 | 33,000円〜 |
| 成功報酬 | 回収額の20%〜 |
| 運営元 | フォーゲル綜合法律事務所 |
| 対応範囲 | 退職代行+未払い賃金請求+各種法的対応 |
| 対応時間 | 24時間対応 |
フォーゲル綜合法律事務所は、弁護士型退職代行の中で最安水準の着手金が魅力。未払い残業代の金額が比較的少ない場合でも、コスト面で利用しやすいのがポイントです。
退職代行を使わずに未払い残業代を請求する方法
退職代行を使わずに未払い残業代を請求することも可能です。ここでは、退職代行以外の方法も紹介します。
方法1:自分で会社に直接請求する
最もコストがかからない方法ですが、精神的なハードルが非常に高いのがデメリット。会社との関係が悪化するリスクもあり、在職中に行うのは難しいケースがほとんどです。
方法2:労働基準監督署に相談する
前述の通り、労基署に申告して是正勧告を出してもらう方法です。費用は無料ですが、対応に時間がかかることがあり、必ずしも会社が支払いに応じるとは限りません。
方法3:弁護士に直接依頼する
退職代行とは別に、弁護士に未払い残業代の請求のみを依頼する方法です。退職は自分で行い、残業代の請求だけを弁護士に任せることができます。
- 着手金:10万〜30万円程度
- 成功報酬:回収額の15%〜25%程度
- 弁護士型退職代行よりトータル費用は高くなる場合が多い
方法4:労働審判を利用する
労働審判は、裁判所で行われる簡易的な紛争解決手続きです。原則3回以内の期日で結論が出るため、通常の裁判より短期間で解決できます。
- 申立て費用:数千円〜数万円(請求額による)
- 期間:申立てから約2〜3か月
- 弁護士なしでも申立て可能(ただし弁護士に依頼した方が有利)
結論として、退職と未払い残業代の請求を同時に行いたい場合は、弁護士型退職代行が最も効率的です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 退職代行で未払い残業代を請求すると、会社から報復されませんか?
A. 法的に報復は禁止されています。
退職後に会社が労働者に報復することは、法律で禁止されています。万が一、会社が嫌がらせをしてきた場合は、弁護士が対応します。弁護士型退職代行を利用していれば、会社も安易な報復行為はできません。弁護士が間に入っていること自体が、強力な抑止力になります。
Q2. 未払い残業代の証拠が何もない場合でも請求できますか?
A. 証拠が全くなくても、弁護士に相談する価値はあります。
前述の通り、会社には勤怠記録の保存義務があるため、弁護士を通じて開示請求を行うことができます。また、PCのログイン記録やメールの送受信時刻など、自分では気づいていない証拠が残っている場合もあります。まずは弁護士に相談して、どのような証拠が使えるか確認してもらいましょう。
Q3. 未払い残業代の請求にはどれくらいの期間がかかりますか?
A. 交渉で解決する場合は1〜3か月、裁判になった場合は6か月〜1年程度です。
弁護士が会社に請求書を送り、会社が支払いに応じれば1〜3か月で解決します。会社が拒否した場合は、労働審判(2〜3か月)や訴訟(6か月〜1年以上)に進むことがあります。弁護士型退職代行なら、退職手続きと並行して残業代の請求を進められるため、トータルの期間を短縮できます。
Q4. 退職代行で残業代を請求した場合、成功報酬はどのタイミングで支払いますか?
A. 未払い残業代が実際に回収できた時点で支払います。
成功報酬は、会社から未払い残業代が支払われた後に発生します。回収できなかった場合は成功報酬はかかりません(着手金は別途発生)。つまり、「取れなかったのに報酬だけ取られる」というリスクはありません。
Q5. モームリが逮捕されましたが、労働組合型で残業代の交渉はまだできますか?
A. モームリは利用非推奨ですが、他の労働組合型退職代行では交渉が可能です。
2026年2月3日に退職代行モームリの社長が弁護士法違反で逮捕されたため、モームリの利用は非推奨です。代替として、SARABA(24,000円)やガーディアン(24,800円)といった労働組合型退職代行を利用すれば、未払い残業代の交渉は可能です。ただし、法的な請求まで行いたい場合は弁護士型をおすすめします。
Q6. 退職代行を使った後に、自分で労基署に行くことはできますか?
A. はい、可能です。退職代行の利用と労基署への相談は独立した手続きです。
退職代行(民間型・労働組合型)で退職した後に、自分で労基署に未払い残業代の申告を行うことは問題ありません。弁護士型退職代行を利用する場合は、弁護士が労基署への申告も代理してくれるケースがあります。
Q7. 少額の未払い残業代でも請求する価値はありますか?
A. 弁護士費用を考慮して判断しましょう。
弁護士型退職代行の着手金(5万円前後)と成功報酬(回収額の20%)を考えると、未払い残業代が10万円以下の場合は費用倒れになる可能性があります。ただし、労基署への相談は無料なので、少額でも労基署に申告することは検討の余地があります。
まとめ:未払い残業代がある人は弁護士型退職代行を選ぼう
この記事のポイントをまとめます。
退職代行で未払い残業代を請求できるかは運営タイプで決まる:
- 弁護士型 → 法的な請求が可能(最も確実)
- 労働組合型 → 交渉まで可能(法的請求は不可)
- 民間型 → 不可(退職の意思伝達のみ)
未払い残業代を請求するためのステップ:
- まず証拠を集める(タイムカード、メール、勤怠記録など)
- 未払い残業代を概算で計算する
- 弁護士型退職代行に相談する
- 退職手続きと同時に未払い残業代の請求を進める
- 必要に応じて労基署への申告も併用する
時効は3年。時間が経つほど請求できる金額が減るため、一日でも早く行動してください。
\ 未払い残業代の請求に強い退職代行 /
弁護士法人みやび(55,000円) → 未払い残業代・慰謝料請求に強い。成功報酬20%。
退職110番(43,800円) → 弁護士型で最安水準。退職+残業代請求をセットで対応。
まずは無料相談で、あなたの未払い残業代がどれくらいになるか確認してもらいましょう。
